★アディショナルタイムのヴェルディ | Dear Green Field

★アディショナルタイムのヴェルディ

東京ヴェルディ 2-0 ザスパクサツ群馬

フォワードは89分寝ていても、ここぞって時にゴールを決めればいいというけど、それのチーム版。
90分は退屈なゲームだったけど、アディショナルタイムの3分で試合は決まった。
それまで何の伏線もなかったのに、最終回でいきなり刑事が犯人だったという展開で不評を買った某刑事ドラマのようでもあるが、スポーツではそれがありなのだ。


話は変わるが、南の1点目のあと、群馬の選手は菅嶋がオフサイドだったと抗議していた。
問題の場面はゴールの1分(!)近く前。その間にずいぶんプレーは進んでいたので、あそこでいくらそれをアピールしても判定が覆ることはあり得ないのだが。

ただ、群馬の選手の気持ちも分からなくはない。
あの場面、確かに副審は旗を上げた。他に旗を上げるべきプレーがあったようには見えなかったし、左右に振ったりせず真上に上げていたのでオフサイドをアピールしていたと思われる。
でも、すぐに降ろしてしまった。
普通は、副審は主審が気がつくまで旗を真上に上げていなければいけない(旗を上げた判断が間違っていたと気がついた場合を除き)。

主審がオフサイドを採用せずプレー続行させるのは2パターン。
一つ目は、オフサイドはあったが相手チームに有利に進行した場合。この場合には「プレーオン」の指示を声とジェスチャーで示すのが普通。
二つ目は、最終判断者である主審がオフサイドでないと判断した場合。この場合には、主審は副審に旗を降ろすように指示する。

で、昨日の問題の場面では、主審から2パターンのうちどちらかの明確な意思表示は(少なくともスタンドからは)見えなかった。
最近はインカムをつけているので審判同士は大声や大きなジェスチャーがなくても意思は伝わるが、それでは見ている観客はもちろん、選手にもその判断が伝わらない。
あれでは、群馬の選手や(遠いサイドなので状況が分からなかったかもしれないが)サポが不満に思っても仕方がない。
服部監督も明らかに「その前のオフサイドをどうして取らない」っていう感じでアピールをしていた。

あれで、主審が「プレーオン」を選手や観客に分かる形で示していれば(本当はオフサイドだったとしても)モヤモヤした気持ちは残らない。
あそこで、プレーが切れていれば、1点目は入らなかったかもしれない。1点目がなければ2点目も入らなかったかもしれない。
1点目がなくても2点目は入ったかもしれないし、もっと入ったかもしれない。
逆に群馬に得点が入っていたかもしれない。
そんな仮定の話をしても仕方ないのだが、とにかく、審判は選手を納得させられるジャッジをしなければいけない。
結果としてミスジャッジであっても、はっきりとジャッジを下さないとますます選手のフラストレーションは溜まる。

前述のように、反射的に旗を上げてしまったけど、よく状況を見たらオフサイドではなかったという場合には、副審自らの判断で旗を降ろすことはあり得る。
これなら、昨日の状況でも納得できる。
もっとも、この場合には、普通は(旗でなく手でゴール方向を指してオンサイドの表示をするか、旗を下で横に振るなどして)「今の旗は間違い」というのが分かるジェスチャーをするはず。そうしないと(昨日のように)選手も主審も混乱するから。


昨日の肝心のシーンをスカパーオンデマンドで確認したが、菅嶋のポジションはギリギリ。マーカーより前にいたことは間違いないが、奥にいたDFとはほぼ並んでいた。
なので、オンサイドという判断もありかなという感じだった。
菅嶋はそのあと競りに行っているので、「オフサイドポジションだったけどプレーには関与していない」というジャッジはあり得ないと思うが。


前々から言っていることだが、自信を持ってジャッジしない副審が多すぎる。これだけは確か。
これは単純な誤審とは異なる、ある意味それ以上にタチの悪い問題だと思う。
もっとも、毎週、J1:9試合、J2:11試合、J3:6試合 計26試合×4人の優秀な審判員を確保するのは容易ではないとは思うが。